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  • 来年に向けて今から始める節税術

    2022年12月14日

    年末調整関係書類の会社提出も終え、過納分となった源泉徴収税の返金を心待ちにしている方も多いのではないでしょうか?住宅ローン控除や生命保険料控除、地震保険料控除などはみなさん活用されているかと思いますが、これ以外にも個人でできる節税術がまだ残っています。ここでは、今からできる個人の節約術についてご紹介します。

    年末は所得計算の〆です

    節税に取り組むには、まず税金の仕組みを理解することが必要です。

    個人に関する「節税」とは、主に「住民税」と「所得税」を減らすことを指します。

    それぞれの税額を算出する基本ルールは、

    「住民税」

    ・その年の1月~12月に得た1年間の課税所得を基に計算

    ・適用期間は翌年6月~翌々年5月までの1年間

    「所得税」

    ・所得を得る都度課税される

    ・年間の合計所得が多くなるほど段階的に納税額も多くなる

    ・給与所得を得ている場合は「源泉徴収」で見込み額が予め引かれている

    どちらの税額もその年の所得額が基準となっています。そのためこれらの税額を減らすには、年末までに課税される所得額をなるべく少なくする必要があります。

    節税するには「所得控除」を活用する

    住民税と所得税の基礎となる年間の所得額は、一度得た後に減らすことはできません。しかし、「所得控除」という制度を活用し、税額の決定に使われる「課税所得額」を減らすことは可能です。

    年間の所得額と課税所得額の関係

    ・年間の所得額ー各種所得控除の合計額=課税所得額

    所得控除とは、給与所得者の経費相当額となる給与所得控除や公的健康保険料・公的年金保険料などの社会保険料控除、扶養親族に対する扶養控除、生命保険料控除・地震保険料控除等の金額を「年間の所得額」から差し引きできる仕組みです。これらを活用することで課税所得額を減額し、住民税や所得税も少なくなります。

    所得控除のタイミングは「年末調整」と「確定申告」の2つ

    所得控除は11月~12月頃に勤務先で行う「年末調整」と翌年2~3月にかけて行う「確定申告」の2回で申告します。

    会社員や公務員などの給与所得者の場合は、給与所得控除、社会保険料控除、生命保険料控除などの項目を対象に勤務先の年末調整で計算を行います。一方で所得控除の対象となる項目には、医療費控除や寄付金控除など確定申告でないと申告できないものもあります。そのため年末調整をした人でも、確定申告が必要となるケースがあります。また、年末調整で所得控除を忘れてしまった項目は、確定申告で所得控除を申請することができます。

    いますぐできる節税術

    iDeCoの掛金を申告する

    まず紹介するのは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金の申告です。iDeCoとは、個人で掛金を拠出して運用する年金制度の一つで、掛金は「小規模企業共済掛金控除」の対象となります

    iDeCoの3つのメリット

    ・掛金の全額所得控除

    ・運用益の非課税

    ・受取時の税制優遇

    即効性が高いのは、掛金による所得控除で、残る2つは将来的な節税効果といえるでしょう。

    所得控除でリアルタイムに節税をしながら、将来的な節税と資産形成もできるため、積極的な活用をおすすめします。

    生命保険料控除の個人年金保険料控除を活用する

    平成24年1日1日以降に締結した保険契約の保険料は、「生命保険料控除」として契約内容毎に、「新生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「新個人年金保険料控除」の3項目、各上限4万円、計12万円の所得控除ができます。そのなかでも「新個人年金保険料控除」の上限4万円が活用されていないケースが散見されています。対象となる個人年金保険契約には一定の条件(10年以上の払込期間、60歳以降に年金受取、10年以上の受取期間など)が必要となりますが、既に「iDeCo」の枠を活用済みで、キャッシュフローに余裕があるようでしたら、将来のセカンドライフ資金の準備と節税を兼ねて、ご検討してみてはいかがでしょうか。

    ふるさと納税

    ふるさと納税とは、特定の自治体に寄付をして応援する制度です寄付額から2000円を差し引いた額が所得控除の対象となり、さらに寄付額の30%以内の返礼品も受け取れるため、お得な節税制度として知られています。ふるさと納税をした場合、ふるさと納税した年の所得が所得控除対象となります。例えば2022年12月25日にふるさと納税した場合、2022年の所得から所得控除が可能となります。ただし、ふるさと納税には所得に応じた上限値が設定されているため、際限なく控除することはできません。総務省のふるさと納税解説ページに上限額の目安が掲載されていますので、確認の上、チャレンジしてみましょう。

    総務省|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について (soumu.go.jp)

    税制を学んで計画的な節税を

    今回は、所得控除について紹介しましたが、節税効果のある制度は他にも様々な種類があります。税額控除となる住宅ローン控除や医療費控除、株式等の譲渡損失の損益通算や繰越控除など日常生活のなかで取り組めるものもあるので、積極的に情報に触れることができるようアンテナを高く保つことが重要です。また、生活の中で節税チャンスを図るには、税制を知るということが欠かせません。年末調整や確定申告といったタイミングを契機に自分でできる節税について学んでみてはいかがでしょうか?