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  • 変動金利と固定金利どちらがよいの?

    2023年1月4日

    昨年、日本銀行の黒田総裁による政策金利の事実上の利上げ容認発言を受け、今年1月に大手銀行5行では固定型10年では、5行すべてが引き上げました。上げ幅は0.1%から0.34%となります。

    この一方で、変動金利は各行ともに据え置いています。この違いはどうしてなのでしょう?

    今現在、住宅ローンを利用されている方も、これから住宅新築やマンション購入などを考えている方にも役立つ「固定金利」と「変動金利」の違いを解説します。

    変動金利と固定金利の利用状況

    住宅ローンにおける変動金利と固定金利の利用状況は、

    2021年調査 変動金利67.7% 固定金利(※固定期間選択型含む)32.3%

    2022年調査 変動金利73.9%(前年比+6.2%) 固定金利(※同上)26.1%    

    となっており、全体の7割を超える利用者が変動金利を選択しています。

    ということは変動金利が有利なのでしょうか?

    実は多くの方が選んでいるからといって自分にも合っているというわけではありません。

    どちらの金利タイプが自分に適しているかは、自分の資産状況や将来のライフプランによって異なります。そのためそれぞれの金利タイプのメリット・デメリットを理解した上で、慎重に金利プランを選択するのが大切です。

    メリットとデメリット

    【変動金利】

    ○メリット

    ○他の金利タイプよりも金利が低い

    ○金利が下がれば返済額も下がる

    ●デメリット

    ●金利上昇で返済額も増える(5年ルールや125%ルールによる返済額の上限が設定される場合あり)

    ●返済計画が立てにくい

    ◇向いている人

    ◇収入を得られる人が複数いる世帯

    ◇返済期間が短い人

    ◇収入に対する借入比率の低い人(年収の4~5倍程度の借入額)

    ◇固定金利との金利差額を貯蓄・運用できる人

    ポイント

    収入に余裕があり、固定金利で10万円の月額返済が変動金利で8万円の月額返済という場合、その差額2万円を貯蓄・投資に向けることができる。仮に金利上昇により返済額が増えた場合も貯蓄・投資に回していた資金での対応や長期の運用資金で繰上返済で対処することができます。

    【固定金利】返済期間中金利が変わらず一定のもの※代表的な商品はフラット35

    ○メリット

    金利上昇に対して返済額が変わらない

    返済額が一定のため返済計画が立てやすい

    ●デメリット

    ●金利上昇で変動しない分、割高な金利設定

    市場金利が下がっても返済額は変わらない

    ◇向いている人

    ◇収入を得られる人が単独の世帯

    ◇金利上昇リスクを避けたい人

    ◇安定した返済計画を立てたい人

    ◇収入に対する借入比率の高い人(年収の6~7倍程度の借入額)

    ポイント

    安定的な収入があるが、大きく収入増が見込めない方。長期的に収入が減少する見込みのある方。また、教育費などの支出増が見込まれる方は、返済額を一定に保つことができる固定金利の方がライフプランが立てやすくなります。

    【固定期間選択型金利】3年5年10年など選択した期間中の金利が固定され、固定期間終了後は再度固定期間を選択するか、再選択しない場合は変動金利に移行するタイプ

    ○メリット

    ○一定期間は返済額が変わらない

    固定期間終了後の金利が下がっていれば、返済額も下がる

    ●デメリット

    ●金利上昇で再選択時の返済額が増える

    5年ルールや125%ルールが適用されないため、 金利見直しにより返済額が大きく増える可能性あり

    ◇向いている人

    ◇一定期間の返済額を安定させたい人

    ◇借入額や返済期間を管理できる人

    ポイント

    教育費など必要期間が10年5年などの見通しが立てられる方。固定期間終了後に返済額が大きく増えても対応できる資金が準備できる方。変動金利と固定金利の中間的な金利タイプでライフプランや資金の状況を把握・管理しながら活用することが望ましい。

    今後はどの金利タイプがよいの?

    変動金利・固定金利それぞれメリット・デメリットが異なるので、ライフプランや資産状況、今後の収入見通しなどを考慮して慎重に選択する必要があります。

    しかし、変動金利と固定金利には大きな差があるため悩む方も少なくありません。

    変動金利は、金利の低さが魅力ですが、目先の金利の低さだけで判断することは避けるべきでしょう。

    変動金利の仕組み

    現状、変動金利は、短期プライムレートと呼ばれる指標が用いられ、多くの金融機関で

    「短期プライムレート+1.0%」が基準金利とされています。

    短期プライムレートは2007年1.875をピークに2009年以降1.475%が続いています。

    変動金利は、1.475%の短期プライムレートに1.0%を上乗せした2.475%が基準金利となり、ここから優遇金利割引ー2%前後(給与振込口座指定や公共料金振替指定等)を適用して、0.4~0.5%程度(2022年12月現在)になっています。

    まとめ

    短期プライムレートは、もう10年以上変動していないから、これからもそんなに変わらないのでは?

    過去に変動がなかったからといって、今後も変動しないと考えるのは早計です。

    かといって、短期的に急激な上昇の可能性は高くないかもしれませんが、将来的に上がる可能性はゼロではありません。

    現在日本では、金利の低い「変動金利」が主流となっていますが、欧米諸国における利上げとインフレ加速は、日本においても輸入品の価格上昇や為替の円安進行による物価高騰など経済的な影響を大きく受けています。

    今後、日本銀行による政策金利引き上げや短期プライムレートの利上げを完全に否定することは難しい情勢です。

    まずは、自分のライフプランを踏まえた資金計画や返済計画になっているのか。

    また、急激な利上げなど不慮な事態となった場合にも、対応可能な返済計画となっているか。

    住宅ローン選びや住宅ローンの借換などに不安がある方は、ぜひ一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか

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